鼻の手術をした後、先生からテーピングをするよう勧められます。
でも、テーピングって少し面倒くさいですし、日中ずっとするのはちょっと嫌だなあと感じる方も多いですよね。今日はそんな鼻整形後のテーピングについて解説していきます!
■そもそもテーピングって何のためにするの?
鼻整形後のテーピングについて、『なぜした方がいいのか?』と聞かれて答えられる患者様は少ないのではないでしょうか。クリニックによってはテーピングをしなくてもよい、と答えているところもある分、しなくていいなら極力したくないと感じるのも当然です。しかし、術後のテーピングにはメリットがたくさんあるのです!
【鼻先のテーピングのメリット】
①浮腫みや腫れの低減
術後しばらくは腫れや浮腫みが続きます。そこで、テーピングをしっかり行うことで術後の浮腫みや腫れが低減することが分かっています。
切開を伴う鼻整形はダウンタイムが長くなる施術です。その為、プチ整形の埋没などと比べて見た目の腫れや浮腫みが落ち着いてくるまでにどうしても時間がかかってしまいますよね。けれど、きっと皆さま一様にダウンタイム中の腫れなどが軽減するならそうしたいはず。それを叶えてくれるのが術後のテーピングなのです。
②瘢痕化・拘縮化の低減
瘢痕(はんこん)化は、怪我や手術の傷が治る過程でどんな人にも必ずおこる現象です。しかし、傷口がふさがる際の瘢痕化が強く出すぎてしまうことで傷跡が目立ったり、元の皮膚よりも増大してしまうことがあります。その為、術直後は綺麗だった鼻が丸くなった、大きくなったと感じる方が多いのです。また、同時に拘縮(こうしゅく)化すると引きつれが生じ、せっかくきれいにしたお鼻の形が崩れたり目で見て分かるほどの左右差を引き起こしてしまいます。特にお鼻で瘢痕化・拘縮化してしまうと、顔の中心にあるだけに気になってしまい再手術の可能性が上がります。
そういった事態を防ぐためにも、術後のテーピングがとても重要となります。
【小鼻のテーピングのメリット】
傷跡がきれいに治りやすい
身体のどこを手術するにおいても、傷跡はできるだけ目立たなくしたいのは当然です。それがお顔、ましてや中心にあるお鼻の傷跡であれば手術したことが分からないくらいきれいに傷跡が消えてくれるならそれに越したことはありません。
実は、手術後のテーピングは傷口が動いたり引っ張られたりすることを防止してくれるため、傷跡が広がるのを防いできれいに癒着させる効果があるのです。
■上手なテーピングのやり方
テーピングの重要性について説明したところで、つづいてテーピングのやり方について解説していきます。
今回ご紹介するテーピングは、大きく分けて2種類あります。鼻先の手術(耳介軟骨移植+鼻尖形成や鼻中隔延長)をした方のテーピングと、小鼻縮小の手術をした方のテーピングです。
●鼻先の手術をした方のテーピング
【用意するもの】
1.5㎝幅程度のサージカルテープ、はさみ
※テープは5~6㎝程度の長さに切ったものを4枚用意する
※テープは市販で購入できるものでOK。3M(スリーエム)テープがおすすめ。
※テープの長さは患者様のお顔の大きさやパーツ配置によって異なります。
①鼻先を中心に、左右がだいたい均等になるように横にテープを貼る
② ①と同じように横にテープを貼る。貼る位置は最初に貼ったテープの少し下、少し重なるように。
③ 1番最初に貼ったテープの高さあたりから、鼻筋から鼻先に沿ってテープを貼る。
④同じように反対側もテープを貼る。
⑤左右に貼ったテープを、お互いに貼り合わせる
※余ったテープは切ってもOK。切るのが怖い人は鼻先に巻き付けるように貼っておく。
【注意点】
テープを貼るときは絶対に引っ張らないように気をつけましょう。顔にシールをペタペタ貼る感覚でOKです。こんなので効果あるの?と思うかもしれませんが、むしろそれが正解。
■これに気を付けよう!テーピングのデメリット
テーピングをするうえで気を付けることももちろんあります。テーピングはできる限り長時間行うことを推奨していますので、テープかぶれが起きやすくなります。
テープかぶれが起きる原因としては、
①テープを無理に引っ張ることでおきる皮膚刺激
②テープの貼り剥がしを繰り返すことでおこる皮膚刺激
③アレルギー反応
④テープに使用されている粘着剤などの刺激
などが挙げられます。もともと敏感肌の方はとくにテーピングによるかぶれが起きやすいため、お肌の状態を観察しながらできる範囲でテーピングを行いましょう。
出来るだけお肌の負担を減らすためにも、テープの貼り替えは図のように慎重にやさしく行ってください。
また、低刺激タイプのテープも市販で購入できますので、そういった商品をご利用になることもおすすめします。
■テーピングは何時間したらいいの?
術後のテーピングは、3ヶ月程度は毎日続けることをおすすめします。というのも、テーピングの時間が長ければ長いほどメリットが大きいからです。
一番の理想は『術後3ヶ月間は24時間テーピングし続ける』ことですが、さすがにそれは現実的ではありませんよね。そういう場合は『外出時ははずし、家にいる間はずっとつける』という方法で3ヶ月続けてみましょう。