『ボトックス』を一度は耳にしたことがある方や、知っている方も多いのではないでしょうか?美容好きな方でしたら、定期的に打っているという方もいらっしゃると思います。
今回は当院で取り扱いをしている、ボトックスの種類についてご紹介させていただきます。
アラガン社製のボトックスビスタもヒューゲル社製のボツラックスもまとめて「ボトックス」と呼ばれていることが多いですよね。
ですが「ボトックス」はアラガン社の製品の名前であり、商標登録もされております。そのため、正式にはアラガン社が販売するもの以外は「ボトックス」ではなく、「ボツリヌストキシン製剤」です。
今回は簡単に説明するために2種類とも「ボトックス」と呼ばせていただきます。
■ボトックスの種類はたくさん存在する?
現在当院では「ボトックスビスタ」と「ボツラックス」の2種類の薬剤を取り扱っております。その2つ以外にもボトックスは様々な会社が販売しており、その他にもたくさんの種類が普及しています。
では、同じボトックスでもどこに違いがあるのでしょうか?
・ボトックスビスタ
当院で表情筋にボトックスを注入する際はボトックスビスタを使用しております。ボトックスビスタは日本で唯一厚生労働省が承認したアラガン社の筋弛緩剤(きんしかんざい)です。日本の基準での有効性や安全性が高く評価され、厳しく管理・保管をされています。
国内承認薬は、万が一副作用が起こった際に「医療品副作用救済制度」という救済制度があります。そのためボトックスビスタが安全だと考える患者様もいますが、ボトックスビスタが治療承認を得ている部位は眉間と目尻だけなのです。そのため他の部位に使用した場合は「未承認の適応外使用」となるため、救済制度は適用されません。
・ボツラックス
ボツラックスは韓国のヒューゲル社が製造をしています。
臨床治験をしっかりと行なっており、KFDA (韓国食品医薬品安全庁)が安全性と効果の保証をしている薬剤です。こちらも国内外で幅広く使われている人気のボトックス製剤です。アラガン社のボトックスビスタのジェネリック医薬品にあたる製剤で、治療コストを抑えられることも特徴です。
ボトックスビスタとボツラックスにはこのような違いがあります。正規品と言われているボトックスビスタの方が効果が高いのでは?と考える方もいらっしゃるかと思います。ですが
どちらの薬剤も効果や対象部位に大きな違いはありません。
2種類とも、表情筋に力を入れることによるシワの予防、発達したエラの筋肉を小さくする小顔形成、汗を増やす神経伝達物質の放出を抑える多汗症の治療など、幅広く使われています。
■結局どちらが良いのでしょうか
ボトックスビスタとボツラックスではクリニックにもよりますが、料金が2倍ほど違います。効果はほとんど違いはありませんので、ご自身のお好きな方を選ぶと良いでしょう。
表情筋など製剤の量が少なくすむ部位はボトックスビスタを、エラなど製剤を多く使用する部位はボツラックスを注入するという方もいらっしゃいます。ボトックスは定期的に注入する必要があるので、コストパフォーマンスも大切です。