ヒアルロン酸は肌の潤いを保つ物質で、私たちの体内に存在しています。皮膚とのなじみが良く、整形外科や眼科をはじめとした医療分野でも幅広く使用されています。
美容医療でもヒアルロン酸の注入治療は人気施術の1つです。メスを使わないためダウンタイムが少なく、施術を受けたその日から効果を実感しやすい治療なので、外科施術と比べると気軽に受けていただける施術となっています。
■ヒアルロン酸は注入する部位によって適切な薬剤を使い分ける
ヒアルロン酸注射に用いる製剤にはさまざまに種類があり、硬さや適切な使用部位が異なります。
注入部位ごとに製剤を使い分けなければ、術後すぐに後戻りしてしまったり肌に馴染まずに凸凹になってしまったりなどの失敗に繋がる可能性があります。
■当院で取り扱っている製剤
当院で使用するジュビダームビスタは、厚生労働省が承認したアラガン社のヒアルロン酸治療用製剤です。
日本の基準での有効性や安全性が評価され、厳しく管理・保管されています。
また、ジュビダームビスタによる治療ができるのは、所定の講習を受け、認定された医師のみです。
■ヒアルロン酸の硬さと適用部位
ボルベラXC
製剤の硬さ★☆☆☆
適応部位 唇・涙袋・目の下など
当院で最も柔らかいヒアルロン酸製剤です。お顔の柔らかい部分の注入に適しています。
ボリフトXC
製剤の硬さ★★☆☆
適応部位 ほうれい線・中顔面・頬
ボルベラより少し硬く、比較的柔らかい部位で使用します。
ボリューマXC
製剤の硬さ★★★☆
適応部位 額・こめかみ・マリオネットライン・鼻翼基部
硬さがあるため、高さやボリュームを出すのに最適です。
ボラックスXC
製剤の硬さ★★★★
適応部位 顎・鼻筋
しっかりと高さや形が出せる、当院で扱うヒアルロン酸の中で1番硬いものです。
■ジュビダームビスタシリーズの持続期間は?
ヒアルロン酸の種類や注入部位によって異なりますが、アラガン社が発表している持続期間は下記の通りとなります。
ジュビダームビスタ ボルベラ XC …. 約9カ月~1年前後
ジュビダームビスタ ボリフト XC …. 約1年~1年半前後
ジュビダームビスタ ボリューマ XC …. 2年
ジュビダームビスタ ボラックス XC …. 約1年半~2年前後
基本的に、ヒアルロン酸の粒子が大きいもの・硬いものは吸収されにくいため長持ちし、粒子の小さいものは早く吸収され効果は早く消失します。
■ヒアルロン酸を長持ちさせるには?
①定期的に再注入する
初めて施術を受ける人は、比較的ヒアルロン酸吸収が早い傾向にあります。
効果が半年続く製剤であっても、効果を半年も感じられなかったという人もいます。
しかし、繰り返し施術を受けるとヒアルロン酸は全て吸収されず、その場に残るようになるので効果の持ちが長くなります。
それは、ヒアルロン酸の周りにコラーゲンの膜を形成し、ヒアルロン酸の吸収を阻害している為だと考えられています。
②高い品質のヒアルロン酸を選ぶ
ヒアルロン酸の「品質」はとても重要です。 安いヒアルロン酸には安定剤が少ないものもあり、効果が長持ちしない場合があります。
安くても長持ちしなければ再度注入する頻度が増え、逆にコストが高くついてしまう結果となります。
当クリニックが採用しているアラガン社のジュビダームビスタシリーズは、他メーカーのヒアルロン酸と比べて長く持続することが証明されています。
このヒアルロン酸製剤を使用することで注入の間隔が延び、患者様の手間とコストの負担を大きく軽減することが可能です。
③注入した部分のマッサージは避ける
ヒアルロン酸注射の施術を受けてすぐにマッサージをしてしまうと、注入した製剤が変形したり、代謝が促進されてヒアルロン酸の吸収が早まったりするため、思ったような効果が得られない可能性があります。
また、マッサージだけでなく、うつ伏せ寝など施術部位に負担がかかるような行為も控えた方が無難です。製剤が安定するまでの間は、できるだけ顔に力がかからないよう、注意して過ごしてください。
■ヒアルロン酸治療の失敗を防ぐポイント!
特に気をつけた方が良いポイントは
・0.1cc単位で注入量を調整してくれる
・アフターフォロー体制が整っている
・ヒアルロン酸注入の施術経験が多い医師を選ぶ
最初に記載した通り、ヒアルロン酸治療は今ではとても気軽に出来る美容施術となっております。しかし、簡単だからと言って流れ作業のようにいい加減な施術を行う医師もいます。一人一人の要望をしっかりと聞いてくれる医師を見極めて信頼できる医師を見つけましょう