美容コラム

ドクターズコスメ美肌治療

『レチノール』を使った美容法の正しい知識

ここ数年、『レチノール』という成分を使った美容法が人気なのをご存じでしょうか?
主にツイッターやインスタグラムといったSNSを中心に、美容好きな女性の間で急速に話題となった成分で、使うと美肌になる、肌質改善ができると言われています。
今ではドラックストアなどで手軽に入手できる製品にも『レチノール入り』といった文言を前面に押し出している製品も多くみられますね。

しかし、急速な広がりを見せる一方で誤った使い方をしてしまったために肌トラブルを起こしてしまう方や、思ったような効果が出ないといったお悩みを抱えている方も増えています。
今日はそんな『レチノール』と『レチノール入り製品』について詳しく解説していきます!

 

■そもそも『レチノール』ってなんなの?

レチノールはビタミンAの一種で、お肌に塗布することでターンオーバーを促進し、同時にヒアルロン酸の合成やコラーゲンの生成も促進してくれます。
その為、美肌目的として積極的にレチノールが取り入れられています。

レチノールと聞くと『皮むけする』というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実はレチノールにも様々な種類があり、その種類や効果によって化粧品ラインと医薬品ラインで分けられています

 

※化粧品ラインでも濃度や配合によっては皮むけすることがあります。

※作用の弱いレチノールは化粧品や医薬部外品への配合が認められています。

 

いかがでしょうか。レチノールにもこれだけの種類があるのですね。副作用の強さ(皮むけの強さ)や効果によって出世魚のように名前が変わるのが面白いところです。
医薬品ラインはドクターの肌診察が必須で、化粧品ラインはドラッグストアなどで販売されている商品にも使用されています。

 

■なぜレチノールで皮むけするの?

レチノールで皮むけする原因は、お肌のビタミンA不足にあります。
お肌は通常約28日サイクルで生まれ変わるのですが、ビタミンAが不足しているお肌はターンオーバーの周期が乱れ、古い角質が長い間肌表面にとどまります。
※ターンオーバーの乱れには寝不足やストレスなど様々な要因によっても引き起こされます。

 

先ほどもお話ししたように、レチノールはビタミンAの一種です。そしてビタミンAにはお肌のターンオーバーを促進させる作用があります。ターンオーバーが促進されることで、滞っていた古い角質が剥がれ落ち、剥がれた角質の下にあったきれいなお肌が顔を出します。

お肌にビタミンAが充足している方は、レチノールによる激しい皮むけはあまり起きませんので、お肌にビタミンAが不足している方であればあるほど、レチノールによる皮むけが激しくなるということですね。

レチノールによる皮むけは一般的に『レチノイド反応(A反応)』と呼ばれています。

 

■レチノールの種類ごとの特徴とおすすめ製品

 

〇パルミチン酸レチノール/プロピオン酸レチノール/酢酸レチノール

 

 

これら3つレチノールは、ビタミンAの中でも最も安定性が高く、お肌に塗布すると肌表面に備蓄されていきます。皮膚刺激(A反応)が起きにくいため化粧品に多く使用されており、医薬品ラインのレチノールと違い激しい皮むけや肌の生まれ変わりはありません。その代わりお肌に蓄積されたこれらのレチノールは、紫外線に強い肌を作り『光老化』を予防してくれます。

ご紹介したゼオスキンの2商品以外にも、これらのレチノールが含まれているものもあります。また、ドラッグストアなどで購入できる製品にもたくさんあるので、ぜひ成分表示を見てみてください。

 

 

〇レチノール

 

レチノールはビタミンAの中でもちょうど中間にあたる成分で、多くの美容皮膚科で肌質改善や小じわの改善などに用いられています。
A反応をできるだけ抑えつつターンオーバーの促進をしたいという方や、小じわにお悩みの方、お肌のハリが欲しいという方におすすめです。

 

〇レチナール ※当院でのお取り扱いはございません。

レチナールは、レチノールと同じ効果をもう少しはっきりと感じたい方におすすめです。A反応を抑えつつトレチノインと近い効果を出せるということがウリの成分です。商品化が少ない成分の為、あまり詳しいことはわかっていません。

 

〇トレチノイン

 

 

ビタミンAの中でもっとも皮膚に対する刺激と作用が強い成分で、ビタミンAの効果を1番発揮する成分でもあります。皮膚科ではたるみや深いシワをはじめ、過剰な皮脂分泌を抑える働きがある為ニキビの治療やシミ治療にも用いられています。組織学的には使用後およそ2週間程度でお肌のふっくらした厚みやうすいシミの減少が認められています

トレチノインを半年~1年長期間使用し続けると、お肌にハリが出て顔色が明るくなり、透明感のあるお肌になります。トレチノインは、スキンケアというよりは『治療』という感覚の方が良いかもしれません。

 

■レチノール使用のデメリット

さて、これまでレチノールについて良い面ばかりをお伝えしてきましたが、今度はデメリット(副作用)についてお話していきます。
このデメリットをしっかり理解していないと、1番最初にお話ししたように良かれと思って使い始めたものの、肌が良くなるどころか悩みが悪化したり別の肌トラブルに悩まされることにつながってしまいます。
どんな施術や商品においても、必ずデメリットや副作用について理解したうえで正しい使い方をするよう心掛けましょうね。

 

 

まず1番有名な副作用は、やはりA反応で皮むけを起こすことでしょう。

A反応が激しい場合、一時的に乾燥、赤みや熱感、かゆみ、場合によっては腫れやニキビ、吹き出物などを起こすことがあります。こういった反応は、もともと敏感肌の方や乾燥肌の人ほど顕著にあらわれますので、レチノールを含む製品を使用する場合はしっかりと保湿をするように心がけましょう。逆に脂性肌の方は浸透成分が弱くなり、効果が出にくい場合があります。

どちらにせよ、根気良く使用を続けていけば問題ないでしょう。

 

つづいてのデメリットは、日本人には成分が強すぎるという点です。

パルミチン酸レチノールなどの化粧品ラインのレチノールであればそれほど強い皮膚刺激もないので大丈夫なのですが、トレチノインを使用する場合は注意が必要です。
トレチノインはアメリカFDAではシワやニキビの治療薬として承認されている薬剤なのですが、日本人などの黄色人種で有用性を試したとき、肌表面のシワの改善は認められたものの、白人患者よりも皮膚刺激による症状が強く出ています。
その為日本では治療薬として認可されていません。

もちろん濃度や使い方次第で皮膚刺激を抑えることはできますが、こういった理由で日本では認められていないということも念頭に置いておくとよいでしょう。

 

■レチノールの使用頻度

さて、ここまでひととおりレチノールの特徴について説明したところで、使用頻度について解説していきます。

レチノールは、化粧品ラインのパルミチン酸レチノールやプロピオン酸レチノールなどは毎日使用してOKです。むしろ継続的に使用することで紫外線に強い肌をつくってくれます。
いわゆる守るタイプのスキンケアですね。ぜひ毎日の使用をおすすめします。使用の際は購入した製品の使用上の注意をよく読んで使用するようにしましょう。

続いて医薬品ラインのレチノールについてです。
医薬品に分類されるレチノールは、そもそも医師の診察がないと購入できません。ですので、購入したクリニックで使用についての説明がされるはずですが、ゼオスキンのセラピューティックコースなどのアクティブなスキンケアをしない場合は毎日の使用は避けましょう。セラピューティックコースの場合でも使用期間が設けられていますので、必ず指示に従って使用してください。

 

濃度が低いものでも多少なりともA反応は出ますので、まずは2~3日に1回、夜のみ使用してください。

夜のみというのは、医薬品ラインのレチノールはビタミンAとしての生理活性が高い一方で、紫外線が当たると本来の力を発揮できなかったり皮むけして敏感になっているところに紫外線が当たることで、別の皮膚トラブルを起こすことがある為です。余分な肌トラブルを招かない為にも、夜のみの使用を守りましょう。その代わり、朝はビタミンCを使用するのがオススメですよ!

 

また、化粧品ラインのレチノールは本来であればそれほど刺激は強くない為、皮むけなどのA反応はほぼ出ません。しかし、お肌がかなり敏感な方や体調次第では皮むけする方もいるようです。
使用するレチノールが化粧品ラインでも医薬品ラインでも、ご自身のお肌の変化やA反応の様子をみつつ、ご自身がツラくない範囲で使用していきましょう。
あまりにもA反応がひどい場合は1度使用を中止し、医師に診察してもらいましょう。

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