瘢痕化(はんこんか)と拘縮化(こうしゅくか)について皆さまご存じでしょうか?
外科施術をされた方はリスクなどに記載されていますから、知っているという方もいらっしゃるかと思います。
ですが、聞いたことはあってもそれがどんな状態を表すものなのかイマイチ分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな瘢痕化と拘縮化がどんな状態のことをいうのか、簡単に説明していきます。
瘢痕化(はんこんか)
瘢痕とは、傷が治った後に残る「傷跡」の事を指す医療用語です。
切り傷や擦り傷、やけど、手術の傷など傷跡ができる原因はさまざまですが、傷跡というのは、あくまで傷が治るときにできる正常な過程であり、皮膚に何らかの傷がついてしまった場合、軽度のもの以外は傷跡が残ります。
つまり瘢痕”化”というのは、広範囲に傷ができたり、深い傷をおった時に傷跡ができてしまう状態の事をいいます。
※上記の写真は瘢痕化した傷跡の例
そんな瘢痕(傷跡)といっても色んな種類の傷跡がありますから、自分の傷跡がどんな状態なのか、気になるところですよね。傷跡は「何色なのか」「盛り上がっているのか、平らなのか」「線状か面状なのか」それらを分別すると、下記の2つのようになります。
①成熟瘢痕
白い傷で盛り上がりがない。
かゆみや痛みの症状がない。
①に該当する傷跡はあくまでも傷が治る過程の問題となります。
②異常瘢痕
赤い傷で盛り上がりがある。
かゆみがあり、痛みがある。
②に該当する傷跡は今後拡大する可能性が高く、早めの治療が必要になります。
もし②に該当するかもしれないと思う方は、一度医師に診てもらうと良いでしょう。
拘縮化(こうしゅくか)
拘縮化とは、傷痕(瘢痕)が引きつれて動かしにくくなる状態の事をいいます。
傷跡が縮む時に周囲の正常な皮膚も一緒に引っ張られてしまう事が原因でおこります。
※上記の写真は瘢痕拘縮した傷跡の例
拘縮は顔面や手足、肩や肘などの関節部に起こりやすい為、拘縮が起こると関節の動きが制限されてしまい、日常生活に支障をきたす事があります。
身体の動きを伴う部分にできた傷や、気になる場所にできた傷はできるだけ早期に適切な治療を行い、引きつれを進行させない事が大切です。
また、拘縮と瘢痕は密接な関係であり、拘縮を治さないと瘢痕は改善しない場合があります。もし、瘢痕拘縮してしまった場合は症状に合わせて内服薬や外科的な治療で治していきます。
当院では「リザベン」というお薬を瘢痕治療薬として処方ができます。
ご希望の方はクリニックにお問い合わせください。
電話でお問い合わせ
瘢痕拘縮を酷くしないようにするには?
ここまで瘢痕化と拘縮化について説明してきましたが、できれば瘢痕拘縮を酷くしたくないですよね。
そこで今回は酷くしないためにもオススメしたい事を2つ紹介いたします。
①なるべく刺激をあたえない
②テーピングをする
この2つが大切になってきます。
傷跡が落ち着くまでは過度に傷跡を触ったり動かさないように心がけましょう。それを防ぐのにテーピングは効果的です。
もちろん上記を意識していても、傷跡が感染してしまい瘢痕拘縮が酷くなってしまったり体質によってはできやすい方もいらっしゃいます。
ですが、悪化させないために是非一対策として行ってみてください。
最後に
瘢痕拘縮は酷くならないのがベストではありますが、もし出来てしまった、酷くなってしまった。と感じた方は一度医師に診てもらい、瘢痕拘縮を進行させないで治していく事が大事になります。
そのままにしておくことは止めて、身体の動きに影響が起きないうちに受診しましょう。