夏になると気温が上がり、シャワーだけですませてしまう人も多いと思います。しかし実は夏の暑い時期でも湯船に浸かることは様々なメリットがあります。今回は夏でも毎日湯船に浸かりたくなるようなメリットをたくさんご紹介していきます!
■シャワーだけでは得られない入浴の効果
1:血流改善
体が温まることで血管が拡張し、血流が改善します。全身に血液が行き渡り、新陳代謝アップの期待もできます。また、温めることで神経の過敏性を抑えられる場合もあり、神経痛など慢性的な痛みを和らげたり、筋肉の収縮による肩こりをほぐしたりする効果が期待できます。
2:浮力作用によるリラクゼーション効果
夏はどうしても暑さや湿気による不快感からイライラしまったり、ベタつきでメイク崩れなどを心配したりと余計な疲れを溜め込んでしまいがちですよね。入浴が持つ「浮力作用」がそんなイライラや疲れを和らげてくれます。お風呂に浸かると、体重は約9分の1程度になります。これを浮力作用と言います。普段体重を支えている筋肉や関節が解放されて緩められると共に、脳の緊張もほぐれて疲れが和らぎます。バスタブに多めにお湯を張り、深く浸かることでより浮力作用も感じやすく、リラックスできるのでオススメです。
3:むくみ改善
湯船につかると体に水圧がかかり、体の表面はもちろん、皮膚の下の血管などにまで圧力が加わります。その圧力によって手足などの末端にたまった血液が心臓へと押し戻され、血流やリンパの流れを改善します。これを「静水圧作用」といいます。
むくみなどの改善効果が期待できます。
4:毛穴を開いて清浄作用
体の表面の汚れはシャワーで落とせますが、しっかり湯船につかることで全身の毛穴が開き、余分な皮脂を洗い落とすことができます。
5:香りでリラックス効果
好きな香りの入浴剤やバスボムなどを使って浴室を香りで満たすとリラックス効果が高まります。
6:汗を流して汗腺機能を整える
汗のもっとも重要な役割は、体温調整。汗をかかないと、体温のコントロールができないのです。
汗は水分とミネラル分からできていて、健康であれば、ミネラル分がほぼ血液に吸収されて「良い汗」になります。「良い汗」は99%水分なので水のようにサラサラとしており、臭いがありません。一方で発汗を促す交換神経や汗腺の機能に問題があると、ミネラル分も一緒に皮膚に出てきてしまい、ベタベタして臭いのする「悪い汗」が出てきてしまいます。そこで効果を発揮するのが入浴。発汗が促進されると、次第に汗腺の機能が整えられるため、「良い汗」をかけるようになります。日中を爽やかに過ごすことができますので、温かいお湯にたくさん浸かって汗をかくのは良いことです。
7:深く眠れる!睡眠改善
お風呂には、快眠へ導く役割もあります。
私たちは体温が下がると眠気を感じるようにできています。そのため、入浴で体温を一時的に上げて、適切に下げれば眠気を感じる、ということです。先ほどのリラクゼーション効果も深い睡眠を誘ってくれます。深い睡眠はその日の疲れを取るほかにも、成長ホルモンの分泌促進や、自律神経のバランスを整える効果など、美容と健康にも重要なのです。
■疲労回復のポイント
季節にかかわらず、疲れを取るための入浴法としてお勧めしたいのが次の3つのポイントです。
1:お湯の温度は40℃前後に
人によっては「ちょっとぬるい」と感じるかもしれない温度ですが、年齢や体力に関係なく、のぼせやヒートショックなどの体調不良を起こしにくいということが報告されています。
2:肩までつかって全身浴を
前述の「シャワーでは得られない入浴の効果」で挙げた静水圧と浮力の作用による効果は、肩までつかることでより得られやすくなります。温熱効果も高まり、血流アップにも効果的です。ただし、いきなり湯船につかるのではなく、掛け湯をして体をお湯に慣らしてからつかることが大切です。また、高齢者や持病がある場合は主治医に相談しておきましょう。肩までお湯につかると息苦しさを感じる場合は無理せず半身浴をおすすめします。
3:湯船につかる時間は10~15分でOK
40℃前後のお湯に10~15分程度つかるだけで、十分に体は温まり、血液の循環も良くなります。顔や額が汗ばむくらいを目安の一つにすると良いでしょう。
■入浴は正しく行いましょう
脱水症状の予防には、入浴する前にしっかり水分補給をしておくことが大切です。1回の入浴で約800ml脱水することから、コップ1~2杯分(150~300ml)の水分を摂ってから入浴しましょう。入浴後も必ず水分補給をしてください。入浴して大量の汗をかくと、水分とともにミネラル分も失われます。糖分やカフェインを含まないノンカフェインのものをたくさん摂取しましょう。
夏はシャワーだけでさっと済ませがちですが、夏でも湯船に浸かるといいことがたくさんあります。なんとなく疲れが取れない人やリラックスしたいと思ったときには、しっかり湯船に浸かる習慣をつけてみるといいかもしれません。